看護師の転職回数増加はマイナス要素とならない場合も



通常、転職回数が多いと不利になることがあるのはよく知られています。1つの職場に長くいられないことは、時に「こらえ性がない」「わがままだ」「1つのことを長くできない」などネガティブな印象を与えかねません。

そうした中で、現に転職回数が多い看護師の方が転職をしたい場合、やはり不利になるのでしょうか。ここでは看護師独特の事情も踏まえながら考えてみたいと思います。


みんな転職回数はどのくらい?

転職回数は人それぞれです。1回も転職せずに同じ職場で続けている人もいますし、20代でありながら10回近い転職をしている人もいます。

どのくらいの転職回数が平均なのか、あるアンケート調査によると以下のような結果が出ています。

第1位…0回(23.9%)
第2位…2回(23.1%)
第3位…1回(20.3%)
第4位…3回(13.1%)
第5位…4回(9.5%)
第6位…5回(4.0%)
第7位…6回(5.9%)


意外なことに1度も転職をしたことがない人は4分の1にも満たない割合です。多くの人が転職を経験しているというのが実情のようですね(ただ、これはアンケート調査なので、実態の結果とは合致しない面もあります)。

転職回数は年齢とともに増加していきます(当たり前ですが)。20代では半数近くが転職したことがないのに対して、40代では最も多いのは転職回数2回で約4分の1の人が該当します。

年齢にもよりますが、看護師の場合複数回の転職は当たり前で、珍しいことではないといえそうです。


看護師の場合、夜勤や残業などの労働が厳しいということもあります位、人の生死にかかわる部門も多く、精神的なストレスやプレッシャーも他の仕事にないような大きさがあります。大丈夫だと思っても、いざその厳しい現場に直面してしまった場合、耐えられなくなってしまう人も多いのです。

精神的、肉体的負荷がほかの職業と比べて非常に大きいということが、看護師の転職回数を多くしている原因であります。


転職回数が多いと不利?何回までなら許容範囲?



転職回数が多い=転職に不利と必ずしもなるわけではありませんが、多ければ多いなりの理由が説明できないと、面接を切り抜けることはできないでしょうし、採用側を納得させられません。

現在、看護師需要に対して看護師の供給が追い付いていない「看護師不足」の状態が全国で指摘されています。実際に、看護師の求人は多く、有効求人倍率も3倍近くあり「売り手市場」であることは確かなようです。従って、選ばなければ転職は可能とはいえるのですが、その理由が問題になります。


30代、40代の看護師の転職の場合、その理由はスキルアップだったり、収入アップだったりすり理由が多く、そのことは自分の能力に自信がある人が転職を目指しているケースが多いと考えることができます。

このケースだと、面接官も納得させられるでしょう。しかし、20代での転職理由は人間関係によるものが最多で、この職場にいたくないから転職するというものと解釈できます。従って、20代での転職は特に注意が必要で、あまり転職を繰り返しているようだと不利になります。

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20代の転職回数の目安

看護師の場合、その業務のハードさや、担当部署によって専門性が異なるため(しかも人の命に関わる)、通常の企業の場合よりも多少転職回数が多くても大目に見てもらえます。とはいえ以下のような目安で考えていましょう。

1回:◎全く問題にならない
2回:○説明できれば問題なし
3回:△転職理由など詳しく説明する必要あり
4回:×書類審査の時点で難しい

1~2回までなら何とかなると思います。重要なのはこの時期に少しでもよい職場に転職して、しっかりと看護師本来の専門性と能力を身に付けることが必要です。そうしないと、30代以降転職しようにも通じなくなってしまいます。


30代の転職回数の目安

30代になると、よりその看護師の能力をみられます。転職回数が多くても直近の勤務先で3年以上しっかりと勤務しているなど、専門性やスキルが身に付いていると判断されれば問題ありません。より能力を重視される段階に入ったといえます。目安としては以下のとおり。

1回:◎全く問題にならない
2回:◎全く問題にならない
3回:○特に問題にならない
4回:△直近の勤務先何箇所かの勤務年数の長さなどが影響する

転職3回までなら大丈夫そうです。4回以上になると、その理由や直近の仕事ぶりなどが判断されます。

ただし、この段階では看護師としてのスキルが身に付いていることが前提です。30代になっても注射もさせないなど、基本が身に付いていない場合は20代以上に「お話にならない」と判断されてしまう可能性もあります。


転職回数増加でもマイナスにならない場合とは



看護師の場合、民間企業の人に比べると転職回数が多少あっても問題はないのですが、上で示したとおり、転職回数が4回、それ以上になってくるとやはりマイナス面がどうしても出てきてしまいます。

こうしたマイナスポイントを少しでも抑えるためには何かできないのでしょうか。

看護師の専門性をアピール

一言で看護師といってもその職場によって仕事内容は異なります。

・受付
・診察室
・病棟
・手術室
・IUC など

それぞれの職場で一定の経験を積んでいるのであれば、採用する側としても、さまざまな場面で使える「即戦力」とみなすことができます。むしろ転職を繰り返して、さまざまな場所を経験したことを武器に変えるのです。こうすることができれば、転職回数が多いことは、むしろアピールできる材料になります。

同じように、各診療項目での経験も生かすことができます。

・内科
・外科
・耳鼻科
・眼科
・皮膚科 など


病院では各専門の診療科目ごとに看護師に求められる能力やスキルも変わってきます。多くの診療科を経験していることで、それぞれの専門性が身に付いているからです。

採用にあたって、このような複数の項目での専門性があることで

病院:抱える複数の診療科目への配属がしやすいため、採用しやすい
クリニック:様々な場面での対応力がある為ゼネラリストとして評価される


と、病院の規模を問わず、複数の専門性をもっていることは評価されます。

ただし、これは、本当にこれまでの各職場でしっかりと専門性を身に付けていた場合です。人間関係でなんとなく転職を繰り返していたような場合は上手に説明できないでしょうし、実際の採用にあたっても不利になることはいうまでもありません。

子育てなどからの復職

出産し、小さなお子さんを育てるために一時的に産休を取っていた人が、別の職場へ転職するような場合は問題ありません。

お子さんが2人いれば、それだけで2回転職になってしまいますし、それ以外の理由で1~2回転職があっても、この場合ならば説明できますので大丈夫です。


上で書いたように看護師は不足しています。短時間勤務であっても手を借りたいのが現実ですので、こうした看護師の現場復帰は大いに歓迎されます。

実際に赤ちゃんを育てた経験などは、産婦人科や小児科ならばむしろ歓迎されるかもしれません。

以上のケースでは、転職回数が多くてもマイナスになることはないといえます。繰り返しになりますが、よくないのは若いうちから

・人間関係などの個人的な理由
・1つの職場の勤続期間が少ない
・それを繰り返す


という転職を繰り返すことです。街の内科のクリニックを延々と転職している人が、また同じようなクリニックに応募しても「続かないだろう」と判断されても仕方ありません。

専門性をアピールしにくい人は、少なくとも1回は「3年以上勤めた」経験がないと、マイナスポイントが大きくなってしまいますので注意してください。

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転職回数、ごまかすとどうなる



結論からいうと「解雇」になる可能性があります。職歴を偽って採用されたわけですので、本来の職歴を正しく伝えていたらその判断が変わっていた可能性もあります。

その場合、法的なものとして「普通解雇」といって退職金などは支払われますが(懲戒解雇とは違います)、解雇になってしまうことには変わりありません。


ただし、虚偽が判明しても「病院が解雇しなければいけない」ということではありません。もし、その働き方が十分期待に応えるもので戦力になっているのであれば、それを不問に付すこともできます。

しかし、虚偽は病院側に解雇する口実を与えてしまうことには変わりません。日本の労働者はよほどのことがない限り首にはなりませんが、転職回数のごまかしはその「よほどのこと」に該当してしまいます。


あまり転職回数が多いと、意図しなくても書き忘れてしまうということもあるかもしれませんので、履歴書や職務経歴書の作成の際は注意してください。特に勤務期間には注意してください。

実際の勤務期間が「○○年2月~△△年6月」だったのを、「○○年2月~△△年9月」にしてしまうと、それだけで虚偽ととらえられかねません。職歴の空白を埋めたいがために少しだけこうやってしまうこともありがちですが、立派な職歴詐称ですのでやめてください。


このくらいなら・・・、と思っても加入している保険の記録などから判明してしまう可能性もあります(実際はそこまでのチェックをするところは少ないでしょうか)

ともかく、解雇や自身の待遇を下げる可能性を与えてしまうことになりますので、意図的であってもそうでなくても、きっちりとご自身の職歴(転職回数も含めて)は正しく伝えましょう。


それよりも大切なのは、なぜ転職をするに至ったのかを丁寧に説明できることです。真摯に訴えることが何より相手の信頼を得るのに役に立ちます。

それでもどうしても転職回数が多くて説明が難しい・・・、という場合は看護師専門の転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。転職エージェントとは、転職サイトから1歩進んだもので、専門のコンサルタントが求人のあっせんや、病院との連絡調整を行ってくれる制度です。

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コンサルタントの報酬は病院側から支払われるため、真剣に有能な人材を見つけて推薦をします。経験のある人たちなので、虚偽を言ってもすぐにばれてしまいますので、本当の事情をしっかりと打ち明けて、ご自身の「市場価値」を判断してもらいましょう。

転職回数が多くても「価値がある」と判断してもらえれば、コンサルタントは全力で転職をサポートしてくれますし、書類の作成なども代行してくれます。多くなってしまった転職回数の説明もうまくしてくれるはずです。


転職回数に悩んでいるのであれば、転職エージェントの利用を考えていただきたく思います。

まとめ

  • 転職する看護師は4分の3以上とかなり多いため、転職自体は気にすることはない
  • 一般の企業と比べて、看護師は売り手市場なので、多少転職回数が多くても大丈夫
  • ただし、4回以上となるとそれなりの理由の説明が必要
  • 複数の専門性も持っているなど有利な材料があればむしろアピールできる
  • 転職回数が多くてもそれを偽るのはNG
  • 転職回数が多い場合は転職エージェントの利用も検討すべき




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